内部充実のための5つの施策 優秀な学生講師の採用・育成 vol2

安多 秀司

著者の紹介

安多 秀司 (やすた・ひでし)

株式会社リアル・パートナーズ、株式会社個別教育フォレスト

ゴールフリー、スタンダードカンパニーを経て独立。個別教育フォレストを開校。個別指導歴17年。自塾を運営する傍ら、全国各地で個別指導塾の経営コンサルティングやセミナー登壇などにも精力的に取り組んでいる。

求人内容は一人でも多くの学生の目に留まるよう工夫しましょう。高時給や私服・茶髪勤務がOKの塾は学生が集まりやすいです。可能な限り間口を広く取りましょう。

学生講師を育成する上でのポイントは、以下の3つです。

  1. 能力の高い学生を採用する
  2. 信頼関係を築く
  3. 生き生きと働いてもらう

1. 能力の高い学生を採用する:

前提として、学生講師はどんなに長くても4年間しか働けません。そのため「2〜3年かけて育てよう」といった方針の育成は厳しいのが現状です。ようやく一人前になった頃には大学を卒業してしまいます。よって、もともと能力の高い学生を採用するように心がけましょう。ダイヤの原石やダイヤを採用する、そのために十分な投資を行います。

2. 信頼関係を築く:

研修ではマンツーマンで一人前になるまで丁寧に育成しましょう。口で教えるだけではなく、ベテラン講師が自ら進んで仕事に取り組み、背中を見せることが大切です。日頃から悩みの相談に乗ったり、望んでいることを実現してあげたり、細かいケアも忘れてはいけません。また誕生日は塾の皆でお祝いしてあげるなど、プライベートに入っていくことも大事です(カレンダーに講師全員の誕生日を記入しておきましょう) こうした小さな積み重ねが信頼関係となり、講師は頑張って働いてくれます。「自分がされて嬉しいことを講師にもする」ことを意識して社員全員が講師と一緒に塾を盛り上げていく姿勢を持ちましょう。

3. 生き生きと働いてもらう:

講師が働きがいを感じられる職場環境をつくるのも、社員の大事な仕事です。具体的には次のような点を意識しましょう。

3-1. 報酬:成果は報酬にしっかり反映させましょう。

3-2. 雰囲気づくり:大学サークルの延長線のような過ごしやすい雰囲気づくりを意識しましょう。定期的な食事会などで交流の場を持ちましょう。

3-3. 手当:準備手当など労働環境の充実を図りましょう。

3-4. 感謝の気持ち:塾が講師を雇っているのではなく、講師が塾で働いてくれているという感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

3-5. 将来へのメリット:塾での経験が自分の将来(特に就活)にとってプラスになると感じてもらえる仕組みをつくりましょう。弊塾では就活セミナーや接遇マナー研修を塾内で開催しています。

個別教育フォレストの採用・育成について

ここまで優秀な学生講師を採用・育成する際のポイントをお伝えしてきました。 ここで参考例として弊塾の採用の内容を簡単に紹介させて頂きます。 弊塾では、採用→試用期間→研修期間の3ステップを経た上で本採用の可否を決定しています。試用期間・研修期間中には、以下のようなプログラムを実施します。

  • 指導マニュアル(テストあり)
  • 授業見学(4回)
  • コピーの仕方の研修
  • 理念の共有(理解できるまで)
  • ベテラン講師とのコミュニケーション
  • 模擬授業後のフィードバック(毎回実施)

質が高い学生が採用できても、研修が十分でなければ、その力を生かしてもらうことはできません。研修内容を確立・マニュアル化し、質の高い学生講師を育成できる体制を整えておきましょう。

本採用後は、講師がやりがいを持てる、働きやすい環境づくりに尽力しています。具体的には次のような点です。

  • 悩みの相談に応じる
  • 定期的に担当生徒の状況を把握
  • 講師が重視しているものを把握
  • 楽しい環境をつくる(大学サークルの延長線上のような塾にする)
  • やりがいを提供する
  • 行動を評価する(言葉と給与で)

このとき意識しているのは信頼関係をしっかり築くことです。誰しも信頼できない人に悩みは相談しませんし、そうした人と一緒に働いていていても、楽しさもやりがいも感じません。 そして、講師が仕事を通じて最も手に入れたいものが何かも把握します。お金なのか、やりがいなのか、楽しさなのか、それとも人間関係なのか。それを提供してあげることで講師は「生徒のために頑張ろう」と思えるようになります。お金であれば、シフトを増やしてあげるといった具合です。

楽しくて働きやすい塾を目指しましょう

ここで講師研修会についてより詳しくお伝えしたいと思います。弊塾では年3回、講師と社員が一同に介して講師研修会を実施し、以下のようなプログラムに取り組んでいます。

  • 教室の現状報告
  • 情報共有(生徒の退塾状況、その理由の共有など)
  • 講師同士による模擬授業大会(景品あり)
  • 就活支援セミナー
  • 親睦会(研修会後)

情報共有では生徒の退塾状況やその理由などを包み隠さず共有しますが、決して担当講師を責めるためではありません。皆で一緒に改善策を考えるためです。
就活支援セミナーは嬉しいことに多くの学生講師から好評です。就活を不安に思っている学生は多いので、弊塾では元大手飲料メーカーの人事や航空会社の客室乗務員の方などをお招きして、丁寧にケアしています。

繰り返しになりますが、大切なのは楽しくて働きやすい塾であること。皆が仲間意識と競争意識を持って、楽しく、生徒のために働ける職場をつくることです。そのために、社員は講師と積極的にコミュニケーションを交わして信頼関係を築き、彼らのやりがいを満たし、不安を解消してあげなければいけません。

1. 採用

  • 悩みの相談に応じる
  • 定期的に担当生徒の状況を把握
  • 昨年実績 / 応募58人→採用4人

2. 試用期間【2週間】

  • お試し期間。お互いに合っているか見極める期間。
  • 授業見学などがメイン。生徒の指導などは行わない。
  • 厳しいと思ったら、試用期間で終了。

3. 研修期間【2ヵ月】

  • 実際に生徒の指導をしてもらう。
  • 模擬授業(10回)や実務研修(コピーの仕方など)で業務を実施。
  • 授業後は必ず社員がフィードバックを実施。

4. 本採用【1年契約】

  • 研修の実績や修了テストの結果などを踏まえて採用可否を決定。
  • 契約期間は1年。卒業まで働いてくれることを目指す。
  • 講師が生き生きと働ける環境づくりに注力する。

今回はここまでです。続きは次回のコラムでご紹介します。

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