保護者との密な連絡
生徒が退塾してしまう原因の大半は、保護者とのコミュニケーション不足です。コミュニケーションが十分に取れていれば、保護者や生徒が抱える不安・不満を早期に把握し対策することで、退塾を防止できます。弊塾では教室長が常に電話の子機を持っているといっても過言ではないほど、保護者とのコミュニケーションに注意を払っています。
ケアすべきは学習面だけではありません。プライベートな面にもしっかり気を向けましょう。来塾した生徒の元気がないと思えば、すぐに保護者へ電話して「元気がないようだったんですが、なにかありましたか?」と確認。するとお母さんから「実はちょっと息子と喧嘩してしまいまして 」といった話が出てきます。こうした些細な面まで含めて丁寧にケアすることで信頼関係が生まれます。
連絡する際は、保護者へ確実に届けることを意識しましょう。その意味で連絡手段としてはLINEが最もお勧めです。働いているお母さんたちは電話に出られませんし、メールは迷惑メールとして弾かれてしまう可能性があります。LINEは確実に届く上、読んでくれたかどうかの確認も可能です。それ以外に以下のような点にも気をつけておきましょう。
- 学期末に必ず面談を実施
- 生徒の元気がないときはすぐに電話やLINEで連絡
- 教室から定期的にお知らせを送る
- 疎遠な保護者から優先的に連絡する
- 話す:話を聞く=1:9(保護者の話を聞くことに徹しましょう)
保護者から塾へ連絡がきたとき、御用聞きのまま終わってしまっていませんか? それではいけません。必ずフォローを忘れないようにしましょう。弊塾では「頂いた電話で恐縮ですが最近 くんの様子はいかがですか?」と必ず気●●にかけるようにしています。こうした些細な積み重ねが、やがて退塾防止などの形で生きてきます。
業務の効率化
ここまで入塾率アップに欠かせない施策4点についてお話しさせて頂きました。いずれも当たり前の取り組みではありますが、しっかり取り組むとなると相応の時間がかかるのも事実です。
先にもお伝えしたように、これらをきちんと実践してくださいとアドバイスすると、多くの塾から「そこまでの時間がない」というお声を頂きます。ですが、今までお伝えしたことは最優先で取り組まなければなりません。学生講師は塾の顔ですから、彼らの採用と育成には十分な投資と時間が必須です。そして塾は生徒と保護者のための場所ですから、生徒と保護者に向き合う時間を持つのは当然のことです。この2点を犠牲にしてまで、教室長が自分で請求書を作成したり、先生たちが手書きという非効率的な方法で報告書を書いたりするのは誤りです。
次のような業務はすべてシステムの導入や事務スタッフを雇うといった対策で効率化・自動化できます。必ずそうしましょう。
- 入退室管理
- お知らせメール管理
- 請求管理
- 座席配当管理
- 報告書管理
- 成績管理
- 生徒管理
入退室は生徒が入室すると保護者のLINEに自動で通知が飛ぶようなものがあります。請求書も保護者のLINEで配信できるものがあります。これなら請求書の折込作業もいりません。せっかく効率化しても見てもらえなければ意味がありませんので、LINEに通知できるツールがお勧めです。
繰り返しですが、教室長をはじめとする社員の仕事は、生徒そして保護者と向き合える時間をつくり、内部充実を向上させていくことです。請求書の作成や折込作業が社員の仕事ではありません。そうした事務作業はシステムやスタッフを導入して自動化・効率化し、ここまでにお伝えした4つの施策を実践する時間を捻出しましょう。その積み重ねが最終的に退塾ゼロや紹介・クチコミの増加、つまり入塾数のアップにつながるのです。
今回はここまでです。続きは次回のコラムでご紹介します。